果実分析に関する研究I.果実成分の分析(1)栄養診断法としての果実分析の検討

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タイトル別名
  • カジツ セイブン ノ ブンセキ 1 エイヨウ シンダンホウ ト シテ ノ カジツ ブンセキ ノ ケントウ
  • Studies on the Fruit Analysis I. Chemical Analysis of TreeFruits (1) The Nutrient Levels of the Fruits in in Relation to the Nutrient Levels of the Leaves
  • カジツ ブンセキ ニカンスル ケンキュウ I カジツ セイブン ノ ブンセキ 1 エイヨウ シンダンホウ トシテノ カジツ ブンセキ ノ ケントウ

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抄録

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【緒言】 果樹園芸学の立場からみて果実成分の分析は,栽培にあたって栄養管理の資料を得るための果実分析と,果実自身の品質および保蔵に関連する成分を対象とするものを含んでいる.ここでは先ず前者のいわゆる「葉分析」に対応する部分を取り扱かう.十数年来,果樹の栄養診断の手段として葉分析が採り上げられ,KENWORTHY,佐藤によって多くの成績が報告された.しかし,既に佐藤ら,森らも述べたように,葉分析は必らずしも樹体の栄養状態を充分に反映しないと考えられている.さらに,果実を中心として考えると,葉の成分ないし形状から直ちに果実の形質を判断することはできず,1樹あたり結果数の多少(1果実あたりの葉数と考えてもよい)が樹体におよぼす影響についても葉分析資料から解答を求めることはむずかしいのである.さきにHULMEは,果実生理に関する綜説のなかで,リンゴ果実について,葉分析よりは果実成分が樹体聞の濃度差をより大きく示すと述べ,著者もリンゴ紅玉樹の施肥試験に関連して,窒素施用の影響が果実の窒素含量に鋭敏に反映することを見た.KENWORTHYらはその葉分析成績のなかで果実の成分との関係にふれ,葉成分にくらべ果実成分は年次相互間に変動が大きく,このために安定した栄養診断の資料を提供できないと論じている.このようにして従来,果実分析が,葉分析に対比されて果樹の栄養診断のより有効な手段と考えられたことはなかった.著者は,数種類の果樹について,その可能性を検討するため,葉,果実1年生校中の3要素成分を分析比較した.

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