スピーカーによる客観的振動感覚検査の試み 第一報

書誌事項

タイトル別名
  • スピーカー ニ ヨル キャッカンテキ シンドウ カンカク ケンサ ノ ココロミ ダイ 1ポウ
  • The trial to evaluate vibration sense by loudspeaker

説明

type:研究報告

高齢者の転倒は寝たきりに結び付く可能性が高く、転倒リスクを正しく評価し、予防することが重要視されている。運動能力の低下と転倒に関する報告は多数存在するが、感覚機能の低下と転倒に関する報告は少数である。近年、振動覚検査が転倒予測に有効であることが報告された。一般的な振動覚検査では128Hzあるいは64Hzの音叉が使用される。しかし、音叉を用いた検査では音叉を叩打する力により振動強度に差を生じ、時間の経過とともに振幅は減衰する。音叉では振動強度を正確に調整して検査を行うことが困難であり、振動覚の低下を客観的に評価することは難しい。また、振動感覚に関わる受容器は複数存在し、各々に感受性の高い周波数帯が異なる。本研究では音叉に代わり小型スピーカーを用いて振動覚検査を試みた。検査には40Hz、128Hz、256Hzの三つの周波数を設定した。スピーカーを用いた検査では振動強度を電気的に制御可能である。知覚閾値を測定するために振動強度を段階的に増加させた。スピーカーは音叉よりも強い刺激での検査が可能であり、音叉の振動は知覚が困難であっても、スピーカーを使用した検査では知覚が可能であった対象者が多く存在した。スピーカーを用いた検査は音叉では明らかにできない振動覚障害の程度を客観的に評価できる可能性が示唆された。

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