ナシ主産地における品質改善対策(3) : 長十郎園における適正着果数の検討

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  • ナシ シュサンチ ニ オケル ヒンシツ カイゼン タイサク 3 チョウジュウロ

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長十郎園における適正着果数の基準を設定するため,1970,'71両年度,火山灰土地帯の主産地において,現地試験を行なった。1. 1970年度は,現地園における慣行の10a当たり着果数(23,000果前後)が適正かどうかを検討するため,12園に着果数軽減区(10a当たり18,000果前後)を設定して比較した。1果平均重は慣行着果数区が268.4g,着果数軽減区が28 9.9g,糖度は,それぞれ11.11%,11.45%で,すべての園において着果数軽減区がまさった。品質基準を果重270g,糖度11%とした場合,両基準に合格する園数は,慣行着果数区40%,着果数軽減区80%で,現地の慣行では結果過多の傾向がみとめられた。ただし,慣行着果数23,00 0果以下の園の1果平均重は276.9g,糖度11%以上の園か,86%で,比較的好成績であったのに対し,24,00 0果以上の園では1果平均重256.5g,糖度11%以上の園は無く,著しく成績が不良であった。2. 1971年度は,現地10園について,10a当たり着果数24,000果,21,00 0果,18,000果の3区を設定して適正着果数を検討した。1果平均重は24,000果区274.4g,21,0 0 0果区279.3g,18,000果区292.8gで,18,00 0果区がすぐれていたが,各区とも基準の大きさには達していた。糖度は,それぞれ11.24%,11.30%,11.46%で,着呆数が少ない区ほど高いが,各区とも基準には達していた。しかし,糖度,果重とも益準に達した園は,24,00 0果区50%,21,000果区60%,18,000果区90%であった。3. 2年間の成績を検討した結果,火山灰土地帯の長十郎盛果期園の適正着果数は,10a当たり,18,000~21,0 0 0果程度であり,果実の発育,天候の変化に対応してこの範囲で増減するのが実際的と考えられた。

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