有機溶剤の気体接触による蚕の交尾蛾の割愛

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  • ユウキ ヨウザイ ノ キタイ セッショク ニヨル カイコ ノ コウビ ガ ノ

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説明

有機溶剤トリクロロトリフルオロエタン(ダイフロンソルベントS3)の気体接触によって交尾蛾を割愛する実用的処理法及び気体接触が産卵性に及ぼす影響について試験を行い次の結果を得た.1.交尾蛾はS3液量,気体発生源の面積,処理容器の容積及び処理時の環境条件などによってその分離時間に遅速はあるが,S3気体接触によって供試蛾のすべてが分離することがわかった.2.S3液量と分離時間の関係では液量が多いほど分離時間を短くなるが,深さ3cm容積6000cm3の容器を用いた場合蚕蛾に悪影響を及ぼさない液量は0.8ml~0.9ml/1000cm3程度と考察した.3.気体発生源の面積と分離時間の関係は,薬液が同量の場合面積が広いほど分離時間は短かった.4.気体発生源の設置位置は使用する深さが10cmを越える場合は容器の上部に設置するのが効果的と考察した.5.気体接触処理時の温度と分離時間の関係では高温の場合分離時間が短かった.6.気体接触は雌蛾の産卵開始をやや遅らせるが,分離後速やかに容器を開放すれば産卵性に著しい悪影響は認められなかった.7.S3を交尾蛾の割愛に用いる場合の使用処方を示した.8.雌蛾の産卵性に影響を及ぼさないS3A(トリクロロトリフルオロエタンとアセトンの共沸混合液)を新たに見出すことができた.

収録刊行物

  • 蠶絲試驗場彙報

    蠶絲試驗場彙報 (106), 101-115, 1978-01

    つくば : 農林水産省蚕糸試験場

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