屋久島におけるシマグワ(Morus acidosa Griff.)系の性状および仕立・収穫法

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  • ヤクシマ ニ オケル シマグワ Morus acidosa Griff. ケイ

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南西諸島を対象とした優良桑品種の育成ならびに現地適応性を検討するため,屋久島分室圃場においてシマグワおよびシマグワ系自然交雑系統M28,M32,M38を用い,小野試案を参考にした全伐形式の年3回収穫法によって,生育状況および収量などの調査を行った。また,シマグワの育種素材としての有用性を検討するため,同分室に保存されているシマグワ8系統を対象に性状調査を行い,次の結果を得た。1.全伐形式によって伐採収穫した場合,シマグワ系統はいずれも10a当たり2400kg以上を示すとともに,枝条の生育も良好であり,現地への適応性が認められた。しかし,しんいちのせは枝条の生育,収量ともに4か年を通じて極めて劣り,南西諸島地域での適応性に問題を残した。2.屋久島分室に保存されているシマグワ8系統のうち,No.52は春の発芽・発育ならびに伐採後の再生長が極めて良好で,10a当たり年合計収量は約2800kgを示し,No.53と共に対照のシマグワに比べ遜色ないことが認められ,南西諸島地域での伐採桑として十分利用できることが示唆された。3.同じく保存系統のNo.55は同地域に多発するクワ赤渋病に対する抵抗性が極めて強く,シマグワの耐病性品種作出のための貴重な遺伝資源としての有用性が高く評価された。

Journal

  • 蠶絲試驗場彙報

    蠶絲試驗場彙報 (125), 55-66, 1985-07

    つくば : 農林水産省蚕糸試験場

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