ストックの採種に関する研究(2) : 採種方法の相違が八重率低下に及ぼす影響
Abstract
ストックにおいて,八重率低下を回避するための採種方法について検討した。1. Johnsonのモデルをもとにし,l因子の有無により苗の性状が異なるとみなして,毎代,苗の鑑別操作を追加した計算方法を考案して,世代経過にともなう各遺伝子型の消長を推定した。2. (イ)八重個体を得る目的で鑑別し,その中に含まれる一重株を累代にわたり採種する方法 (ロ)一重を得る目的で鑑別し,累代採種する方法 (ハ)無鑑別で栽培し,一重株を累代採種する方法の3つについて検討し,八重率低下を防ぐためには(ロ)の方法が最良であった。3. 八重常発系個体の減少傾向は交叉率の高いほど,苗の選抜強度の弱いほど,+/+タイプとl/+タイプ間の卵と花粉の生産力係数の小さいほど,+/+タイプとl/+タイプ間の種子生産力係数の小さいほど,+/+タイプとl/+タイプ間の平均値間差の小さいほど著るしくなった。4. 八重率低下を防ぐための採種方法としては,一重を得る目的で鑑別し,混合採種の期限を2~3世代とする方法が好ましいと思われた。
Journal
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- 千葉県暖地園芸試験場研究報告
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千葉県暖地園芸試験場研究報告 (13), 24-31, 1985-10
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1050845763531068544
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- ISSN
- 03887774
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- Text Lang
- ja
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- Article Type
- journal article
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- Data Source
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- IRDB