グライ土水田の水稲に対する有機物の連用効果(2) : 水稲の窒素吸収および土壌の窒素発現からみた有機物の連用効果

書誌事項

タイトル別名
  • グライド スイデン ノ スイトウ ニ タイスル ユウキブツ ノ レンヨウ コウ

この論文をさがす

説明

土壌の窒素(N)肥沃度の異なる2種類のグライ土水田を供試し,水稲に対する稲わらおよび稲わら堆肥の連用効果を水稲のN吸収および土壌のN発現の面から解析した。土壌のN肥沃度の低い佐原では5年,同じく高い刈田子では6年の試験期間を通じて水稲の収量とN吸収量には高い正の相関関係がみられたが,詳細にみると佐原では試験期間前半で,刈田子では後半で,両者の関係が低くなった。この原因は佐原では特に稲わら秋すき込みにより,刈田子では堆肥3t施用により,水稲が多量のNを吸収したにもかかわらず,それが収量に反映しないためであった。佐原では稲わらの秋すき込みによって土壌のNH4-N含量が高まり,水稲は生育初期から旺盛にNを吸収し,茎数を増やしたものの,結果的に穂数およびもみ数過多となり,登熱歩合が低下して増収に結びつかなかった。刈田子では堆肥3t施用によって富化した土壌Nが最高分げつ期~出穂期に多量に発現して水稲に吸収され,穂数を増加させたが,もみ数過多を招き,登熱歩合が低下して,減収した。上記のような水稲の穂数過多とそれにともなう収量低下は佐原では約14kg/10a以上,刈田子では約15kg/10a以上のNを吸収した場合にみられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ