ガンマ線照射によるセイロンベンケイソウのCAM/C3型光合成突然変異株の作出(2) : 緩照射の場合

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  • ガンマセン ショウシャ ニ ヨル セイロンベンケイソウ ノ CAM C3ガタ コウゴウセイ トツゼン ヘンイカブ ノ サクシュツ 2 カンショウシャ ノ バアイ

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抄録

本実験では,CAM植物の光合成効率を高めるためにC3型光合成への変更の可能性を培養段階での昼夜温度の逆転から検討し,更に,ガンマ線緩照射による変異個体の作出について検討した.得られた結果の概要は以下の通りである. 1.セイロンベンケイソウの培養植物は,明期において活発なCO2吸収を示すC3型光合成的ガス代謝を行いながらも,CAM植物特有のリンゴ酸の日変化が見られCAM cycling型光合成を行った. 2.培養段階においても高夜温条件によりリンゴ酸蓄積量が減少し,C3型光合成に近づいた. 3.カルス分化時から高夜温で生育させた培養植物体は光合成型を変更したが,順化させると本来のCAM型光合成が回復した. 4.昼夜のリンゴ酸含量の差(Δリンゴ酸)におけるガンマ線照射の効果についてはほとんど影響がなかった. 5.ガンマ線照射個体は気孔密度において増加傾向を示し,孔辺細胞長においては影響がなかった.また,培養を経由した植物体において気孔密度は減少傾向を示し,孔辺細胞長は肥大する傾向を示した.

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