地下水を利用した秋出荷パンジーの育苗技術

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  • チカスイ オ リヨウ シタ アキ シュッカ パンジー ノ イクビョウ ギジュツ

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抄録

秋出荷パンジーの夏季高温期の育苗において、用土の温度を低下させるため、地下水をセル成型苗用トレイの底部に掛け流す育苗方法について検討した。 1.掛け流し区の用土の表面温度は、ミスト区と比較して昼の12時で1~2℃低くなった。掛け流し区の中ではセルサイズの小さい406穴型が288穴深型に比較して0.6℃低かった。 2.発芽率は、掛け流し区に比べてミスト区で高い傾向にあった。掛け流し区の発芽率は、セルサイズの大きい288穴深型で高く,セルサイズが小さいほど低い傾向にあった。ころび苗は、掛け流し区で多くなった。掛け流し時間を1日当たり24時間から4時間あるいは6時間に短くしても、ミスト区より高い発芽率は得られなかった。掛け流し育苗は、ミストかん水で発芽が揃った後に開始するのが適当と考えられた。 3.発芽後に掛け流しを行った288穴深型トレイでの育苗が、最も早く葉数4枚に達し、生育が早く、適していた。また、成苗率が最も高く、効率的であった。 4.掛け流し育苗に適する用土は、発芽率、セル成型苗用トレイ中の生育、成苗率の良かったメトロミックス350の単用あるいはベストミックス2号Aとシステムソイル101号の等量混合であった。なお、掛け流し育苗では、ピートモスやバーミキュライトが多く過湿になりやすい用土は、適当でないことが認められた。 5.掛け流し育苗の生育促進効果に品種間差が認められた。しかし、ミスト区に比較して、生育が同等か優る傾向にあった。成苗率はいずれの品種においてもミスト区より高く、実用性が認められた。

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