シミュレーション・モデルを用いたイネいもち病(葉いもち)防除法の改善

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  • シミュレーション モデル オ モチイタ イネ イモチビョウ ハイモチ ボウジョホウ ノ カイゼン

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葉いもちシミュレーションモデル,BLASTLを用い,合理的なイネいもち病防除法を検討できるシステムを構築した。本モデルの精度では,株当り病斑数を1桁単位以内の誤差で推定できる。各種薬剤の作用特性と散布後の動態をモデルに組込んだ。予防剤は展開葉に十分量が付着・残留したが,未展開葉には微量しか付着せず,防除効果は葉いもち全般発生開始期前後の散布が高く,散布時期が遅れるにつれ効果の高い時期と劣る時期を約1週間の周期で繰返しながら効果は徐々に低下し,後期散布では効果が劣る。防除効果の周期的変動は,新葉展開と感染好適条件出現の間隔が関係する。治療剤は,感染好適条件から数日以内に散布しないと病斑発現を抑制できないが,予防剤との組合せにより適期が拡がる。葉いもちの多発を防ぐためには,葉いもち全般発生第3世代の病斑を抑制できる時期に新葉展開を見極めて薬剤散布する必要がある。葉いもち感受性は窒素追肥後1週間で上昇した後低下する。胞子形成能は追肥により上昇する。これらを組込んだモデルで検討したところ,葉いもちの病勢進展を助長する追肥時期は葉いもちの全般発生開始期前後と考えられた。

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