中国の半乾燥地の緑化に用いられるアブラヨモギ(Artemisia ordosica)について(1) : 枝上にみられる突起とさし木の発根

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  • チュウゴク ノ ハンカンソウチ ノ リョクカ ニ モチイラレル アブラヨモギ Artemisia ordosica ニ ツイテ 1 シジョウ ニ ミラレル トッキ ト サシキ ノ ハッコン

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抄録

中国・内蒙古のオルドゥオス高原に広く分布するアブラヨモギ(Artemisia ordosica Krasch.)のさし木特性を検討した。アブラヨモギの枝上にはいぼ状や小さな根状の突起が多数認められ,これらが根に発達することから,こうした突起を多く含む枝を用いてさし木を行うと高い発根成績が得られると予測された。しかし,すべての突起が根に発達するとは限らないのか,突起の数と根数の間にはっきりした関係はみられなかった。さし穂の基部(切口部分)と先端部の両方をさし付けるアーチ型や水平型さし木では,これら両部分から発根がみられたが,合計の根数は通常のさし木で得られる根数と異ならなかった。発根後の根の成長(根重の増加)は根数の多募とは関係なく,発根と根の成長は違った条件の影響を受けることが考えられた。いずれにしても,アブラヨモギは大きなさし穂を用いてもほとんど枯死がなく,また容易に発根する。検討の余地があるとしても,アーチ型や水平型さし木が行える。さし木増殖が簡易に行え,さし木の活用に可能性をもつアブラヨモギの側面が明らかになった。

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