琉球列島に自生するトサカメオトランの生態学的研究

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  • リュウキュウ レットウ ニ ジセイ スル トサカメオトラン ノ セイタイガクテキ ケンキュウ

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琉球列島に自生する地生ランのひとつ、トサカメオトランの保護を目的として生態調査を行った。西表島、石垣島および沖縄本島の12ヶ所の自生地の植生調査の結果、トサカメオトランは森林の伐採や道路建設で生じた林縁に自生していた。しかし、調査したすべてのトサカメオトランの自生地は人為的影響を強く受けていた。すなわち、石垣島では園芸目的の採集、沖縄本島では開発工事などのため絶滅の危機に瀕していると思われた。これらの自生地は人為的影響によるわずかな環境変化でも崩壊する恐れがある。トサカメオトランの形態調査の結果、開花している個体を含むほとんどの個体の球茎の数は3以下であり、トサカメオトランの開花には暦年齢はそれほど重要ではないと思われた。しかし、開花個体は開花していない個体より葉数が多く葉の大きいことから、形態的な大きさがトサカメオトランの開花に重要であると思われた。トサカメオトランの自生地の様相から判断して、人為的影響による絶滅の危機が増大していることがわかった。

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