宿根草の開花調節

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  • シュッコンソウ ノ カイカ チョウセツ

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抄録

ブルビネラ(Bulubinella floribunda)、フジバカマ(Eupatorium japonicum)、ヘリアンサス(Helianthus salicifolis‘ゴールデンピラミッド)、ホトトギス(Tricyrtis‘東雲')フイリアマドコロ(Polygonatum odoratum var. pluriflorum)の生育・開花に及ぼす温度と日長の影響を明らかにし、開花調節技術の確立を目指して試験を行い以下の結果を得た。  ブルビネラ:花芽分化は自然条件では10月上旬であり、花芽分化温度は昼温20℃-夜温10℃が適していた。 フジバカマ:秋から冬にかけて形成される吸枝の伸長には低温遭遇は必要なく、加温・電照すれば伸長して花芽を分化した。自然条件では花芽分化は6月上旬から始まり、7月下旬には発蕾し、9月下旬から開花した。花芽分化は長日条件で促進され、12時間以下の日長では阻害された。温度は昼温25℃-夜温15℃が適していた。花芽分化後の発達は、花芽分化直後の茎頂の肥厚期から短日条件に遭遇すると促進され、開花は著しく早まった。促成栽培は加温・電照と短日処理、又は自然日長で花芽分化した後の短日処理により可能であり、抑制栽培は花芽分化後電照により発達を抑制し自然日長に移すことにより可能であった。 ヘリアンサス‘ゴールデンピラミッド’:秋から冬にかけて形成されるロゼット状の吸枝は低温に遭遇してロゼットを脱し、自然条件では1月上旬に低温量を満たす。自然条件での花芽分化は7月上旬から始まり8月下旬には小花の雄ずい形成期に達し、9月下旬に開花した。花芽分化は短日条件下で行われ、低温は短日の代替をした。7~8月では10日間の短日に遭遇すると花芽分化した。しがって日長処理により促成、抑制栽培が可能であった。抑制栽培では花穂が著しく短縮して品質が低下するが、再電照により花穂の伸長が可能であった。 ホトトギス:花芽分化は長日条件で行われ、分化後の発達は短日条件で促進された。自然条件での花芽分化期は7月上旬で、開花は9月中旬であった。花芽分化後の茎頂肥厚期から短日条件にすると開花が早まった。 フイリアマドコロ:先端が地上茎を形成するリゾームは、地上に発芽する前々年の9月中、下旬から分化が始まり、約15枚のりん片の形成をしながら伸長・肥大し、前年の7月上旬から葉の分化を始め7月下旬に終了した。休眠があり、低温に遭遇して12月上旬から急速に解除された。

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