伝染性造血器壊死症におけるリンパ球のアポトーシス

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  • Lymphocytic Apoptosis by Infectious Hematopoietic Necrosis in Host

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抄録

伝染性造血器壊死症(IHN)ウイルスに感染したニジマス稚魚のリンパ球のアポトーシスを調べた。IHNウイルスに感染したニジマスの血球を対象にTUNEL法によるin situ検出を行い、リンパ球に顕著にアポトーシスが起こることと、赤血球にはアポトーシスが起きないことを確認した。また、血球のクロモゾームDNAの電気泳動において、多くのサンプルがアポトーシスの特徴である180bpラダーパターンを示した。このラダーパターンの明瞭さを指標とし、個体のアポトーシス反応の強さを区分した。区分は、ラダーが確認できない“パターンI”、弱いながらラダーが確認できる“パターンII”、強くラダーが確認できる“パターンIII”の3段階とした。ウイルス感染2日後にはパターンIIを示す個体が出現し、7日後には全ての個体がIIかIIIのパターンを示した。また、アポトーシス反応が強い個体ほどヘマトクリット値は低い傾向があり、IHNにおいてリンパ球のアポトーシスは感染初期から始まり個体が死亡するまで継続する反応であることがわかった。

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