オリエンタルハイブリッド系ユリ‘カサブランカ’の抑制栽培における栽培環境が生育と切り花品質に及ぼす影響

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  • オリエンタル ハイブリッドケイ ユリ カサブランカ ノ ヨクセイ サイバイ ニ オケル サイバイ カンキョウ ガ セイイク ト キリバナ ヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

オリエンタルハイブリッド系ユリ'カサブランカ'の抑制栽培における生育調節のための栽培環境、すなわち施肥、かん水および栽培温度(とくに昼夜温度差)の影響について検討した。 1. 養液栽培において、生育前期の培養液濃度が高いと切り花のボリュームが増加したが、茎の堅さは変わらず、生育後期の培養液濃度が高いと花房部のボリュームが増加し、茎の堅さが低下した。 2. 生育後期の培養液濃度が高いほど葉色が濃くなり、茎葉の窒素含有率が高まった。茎葉の窒素含有率と茎の堅さの間には強い相関が認められ、葉色が茎の堅さを制御する生育指標となりうると推察した。 3. 球根定植後の発根期における多かん水は発根不良となり、切り花品質を低下させ、生育後半に水分供給が多いと花房部のボリュームが増加して茎の堅さが低下した。 4. 夜温を24℃とした場合27℃を超える高昼温で生育・開花が抑制され、日平均温度を22℃としたとき昼26/夜18℃の高昼温で開花が抑制されたことから、'カサブランカ'の生育適温域は27℃付近まで、生長速度の温度比例域は24℃付近までであると推定された。 5. 昼夜温度差(DIF)はとくに花房部の伸長に影響し、正のDIF値(=昼温-夜温)が大きいほど花房節間、花梗、花蕾が伸長生長する傾向が認められた。

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