相模川水系におけるカワウPhalacrocorax carbo hanedaeの食性

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説明

1)2000年5月、2001年2月と5月の計3回、相模川水系の6ケ所でカワウを延べ29羽捕獲し胃内容物を調査した。2)カワウの体重と胃内容重量との関連を見ると、100g以上胃内容物があった12個体には、正の相関が見られ、大きな個体ほど大量に摂餌していた。平均値は303gで最大値は617gであった。3)カワウの胃の中から8種85尾、種の判別不明1尾が確認された。4)カワウの摂餌していた魚の出現率は、フナ類(47.8%)、ウグイ(39.1%)、アユとオイカワ(21.7%)の順に高かった。5)魚種別の合計尾数はウグイが28尾(32.6%)、フナ類21尾(24.4%)、オイカワ19尾(22.1%)の順に高く、この3種で全体の79.1%を占めていた。6)魚種別の合計重量は、フナ類が2073g(53.8%)、ウグイ1407g(36.5%)の2種で全体の90.3%を占めていた。7)カワウが摂餌していた魚のうち、相模川の漁業権対象魚は数量比で88%、重量比で98%を占めており、漁業協同組合等の行う増殖行為への影響は非常に大きいことが伺えた。

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