交雑種雌牛の親子放牧による双子哺育能力と栄養補給効果

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  • コウザツシュ メウシ ノ オヤコ ホウボク ニ ヨル フタゴホイク ノウリョク ト エイヨウ ホキュウ コウカ

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交雑種雌牛の親子放牧における哺育能力と母牛あるいはその双子子牛への栄養補給効果を検討した。1996年から1997年にかけて、のべ17組の双子とその母牛をペレニアルライグラス主体草地に分娩約1週間後から輪換放牧し、子牛への別飼い飼料を給与する区(別飼い区)と給与せず母牛へのみ増し飼いする区(増し飼い区)に分け、哺乳量、母牛の栄養状態および子牛の別飼い飼料摂食行動を調査した。別飼い区では、のべ10組の親子を昼夜放牧し、子牛には放牧地内の別飼い施設で別飼い飼料を自由採食させた。増し飼い区では、のべ7組の親子を9:00~16:00の間放牧し、母牛には日量1~2kgの濃厚飼料を給与した。その結果、母牛の泌乳量は日量10.4~14.4kgあり、1頭当たり5.2~7.2kg摂取した。母牛の栄養状態は、両区とも低下傾向を示したが、別飼い区の減少が顕著であった。別飼い区では、別飼い飼料の摂食行動と摂取量が3か月齢以降で顕著に増加した。子牛の平均日増体量は、増し飼い区の方が0-4週齢時で有意に高かったが、その後は別飼い区の方が高く推移した。子牛の体型は、月齢とともに別飼い区が増し飼い区を上回る傾向にあり、6か月齢の胸囲で別飼い区が有意に大きかった。これらから、交雑種雌牛と双子子牛の親子放牧では、生後1か月齢から別飼い飼料の効果が現れることが示された。また、分娩後母牛の体重減少が顕著な草地においては、母牛への補助飼料給与も必要と考えられた。

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