飼料畑における豚ぷん尿の施用限界量

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  • シリョウバタケ ニ オケル トンプンニョウ ノ シヨウ ゲンカイリョウ

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抄録

飼料作物に対する持続性の高い施肥技術を確立するため、飼料畑の肥培管理、土壌化学性および飼料作物の無機組成の実態を明らかにし、豚ぷん尿の施用量の違いによるトウモロコシ、イタリアンライグラスの収量等への効果および施肥管理の違いによるアンモニアの揮散等を検討し、環境に配慮した豚ぷん尿の施用限界量を設定した。飼料畑での豚ぷん尿の平均年間施用量は150Mgha(-1)と過剰であった。イタリアンライグラス収穫跡地では、硝酸態窒素の下層土への溶脱がみられた。施用量試験の結果、トウモロコシでは、豚ぷん尿30mMgha(-1)、イタリアンライグラスでは、50Mgha(-1)施用した栽培が化学肥料栽培と同等の収量を得た。この施用量下の栽培では、飼料作物のK/(Ca+Mg)当量比、硝酸態窒素含量および硝酸態窒素の下層土への溶脱は化学肥料栽培とほぼ同等と認められた。豚ぷん尿施用によるアンモニア揮散は施用後1日以内が多く、施用直後に耕耘を行うことによって抑制された。飼料作物の収量および品質、収穫跡地土壌の養分環境および硝酸態窒素の下層土への溶脱等から判断すると、豚ぷん尿だけでのトウモロコシ栽培の施用限界量は30Mgha(-1)、イタリアンライグラスでは50Mgha(-1)と考える。なお、臭気および施用窒素のロスを考慮すると、豚ぷん尿施用後、耕耘可能な状態になり次第、速やかに耕耘を行うことが適当と考える。

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