オカラコンポストの分解過程における植物生育阻害と熟成

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  • Reduction of Phytotoxicity and Maturation of Okara Compost during Decomposition

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抄録

未分解有機物を土壌に施用する場合、植物の発芽や生育が阻害される事例が報告されている。しかし分解程度を把握するための効果的な試験方法はなく試行錯誤の段階が続いている。本研究では豆乳残渣とオガクズから調製されたオカラコンポストの分解と代謝過程を把握し、最適施用量を明らかにするため室内培養試験とポット試験を行った。未熟コンポストの水抽出液は完熟コンポストや蒸留水と比べて、ソルガムの発芽や根の伸長を阻害した。発芽指標(G.I.)と水抽出液の465nmと665nmにおける吸光度の比(E4/E6) を用いてコンポストの完熟化に要する時間を調べた。水抽出液のE4/E6比は一旦増加し、約30日後、減少に転じた。この減少は発芽阻害の解消と対応しており、未熟コンポストの完熟化と安定化に関係していると判断された。発芽指標と水抽出液の吸光度比との間には(G.I.)=16.8×(E4/E6)+8.15、R(2)=96%(p<0.05)の関係が見出された。砂質土壌を用いたポット適量試験では、5、10、20ton/ha施用でいずれもソルガムの生長を有意に増加させたが、そのうち10ton/haが最適な施用量であることが明らかになった。

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