夏期せん定が早期加温栽培ブドウ‘巨峰'の生育と樹勢回復に及ぼす影響
抄録
1.12月~1月上旬に加温を開始する‘巨峰’の早期加温栽培では,樹勢の低下,花穂数の減少などが問題となっており,その対策として,収穫後に再せん定し,新しく発生した新梢を翌年の結果母枝として利用する夏期せん定技術について検討した。2.6月下旬に夏期せん定を行うと新梢の充実が良く,根の発生が早く,量も多かった。3.夏期せん定による樹勢回復の効果は,せん定前の樹勢が弱い樹では期待できず,樹勢が中庸の樹では高く,せん定後に発生した新梢の伸長が旺盛で,登熟率や新梢基部の肥大率が高かった。4.夏期せん定後に発生した新梢の充実の良否が加温後の生育に大きく影響し,充実がよいものほど夏期せん定による樹勢の維持,回復効果が高く,花穂数が増加し,花穂の大きさも大きかった。5.夏期せん定後の新梢の充実を図るには,葉面散布と土壌かん注を組み合わせが有効であった。
収録刊行物
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- 佐賀県果樹試験場研究報告
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佐賀県果樹試験場研究報告 (15), 15-21, 2004-01
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050845763607050880
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- ISSN
- 03852822
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB