促成栽培用イチゴ‘さつまおとめ'の特性を活かした安定生産技術

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  • ソクセイ サイバイヨウ イチゴ サツマオトメ ノ トクセイ オ イカシタ アンテイ セイサン ギジュツ

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抄録

促成栽培用イチゴ‘さつまおとめ’の頂花房は,最高気温28~32℃(最低気温18℃,平均気温23~25℃),日長13時間以下の条件で20~30日で花芽分化するが,最高気温36℃では,花芽分化の限界温度を越えていることが推察された。また,同気温,日長条件下では,窒素施用量が花芽分化に及ぼす影響は小さいが,高温・長日条件になると,分化に要する日数は長くなった。これらのことから,花芽分化の安定を図るには,花芽分化が誘起する8月下旬以降の日中の気温を32℃以上に上げないこと,また,窒素施用は控えることが望ましいと考えられた。普通ポット育苗の管理技術として,育苗ポットは,10.5~12cmポットが適した。鉢受け時期は6月上旬から7月上旬が適した。育苗期の窒素制限は,8月下旬頃が適期であり,定植時及び本葉1枚展開時の窒素施用は,腋花房数の増加につながった。育苗後期の遮光は,頂花房の分化促進と腋花房数の増加につながった。本圃において,多収と高品質果生産に適正のための栽植密度は,595株/a(畦幅120cm,株間28cmの2条千鳥植え)であった。また,多収と高品質果生産のための適正な水管理は,かん水開始点pF2.0であった。ジベレリン処理が収量に及ぼす影響は小さく,また,果実品質,作業性からも実用性は低いと考えられた。電照は増収効果をもたらすが,その場合の草勢は,葉柄長+葉長を25cm程度を目安に管理するのが望ましく,電照開始時期は12月上~中旬が適当と考えられた。

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