テンサイ多胚花粉親系統の分枝発生様式と開花習性の関係

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抄録

テンサイ一代雑種種子の採種性や種子品質を改良する上で、両構成親系統の分枝発生様式や開花習性を明らかにすることは非常に重要である。本研究では、倍数性の異なる多胚花粉親系統の分枝発生様式および開花習性を明らかにするとともに、抽苔茎主茎部の早期摘芯処理が、不定芽側枝発生数、各分枝の開花および飛散花粉におよぼす効果を検討した。調査の結果、分技発生様式に関して、四倍体花粉親系統「NK-217BR」は、一次分枝および二次分枝が二倍体花粉親系統「NK-212BR」よりやや多いが、三次分枝が認められない若しくは極めて少ないために、草勢がやや劣ることが明らかとなった。また、開花習性は、第IV群と第V群の主茎先端部に着生する花雷から開花が始まり(開花開始期)、開花期および開花盛期は、それぞれ第I群から第III群の一次分枝先端部の開花時期、第I群から第III群の二次分枝先端部の開花時期と一致し、一定の規則性があり、特定の分枝、部位の開花を調査することで簡易に判定できることが明らかとなった。一方、「NK-217BR」の開花開始期は、「NK-212BR」より4日遅く、開花期およひ開花揃期は、それぞれ1日および3日早かったことから、開花期間がやや短いと判断された。一方、摘芯処理による不定芽側枝発生数の増加は、認められなかったが、「NK-217BR」の各分枝の開花開始期は約2日遅延し、飛散花粉粒数は摘芯処理によって両系統ともに減少した。摘芯処理の効果は、系統間差があると考えられたが、開花期を調節する技術として有効であると判断した。

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