温室メロン生産用に改良したフェンロー型温室の光・温度環境の特徴

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  • オンシツ メロン セイサンヨウ ニ カイリョウ シタ フェンローガタ オンシツ ノ ヒカリ オンド カンキョウ ノ トクチョウ

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抄録

東西棟で型板ガラスを被覆し、温室メロン生産用に改良したフェンロー型のモデル温室の光環境と温度環境特性について、スリークォータ型温室と比較した。1.季節別に、温室内へ透過する積算日射量の推移を観察した結果、11月から1月の期間ではスリークォータ型温室よりもフェンロー型のモデル温室で5-10%程度少なかったが、これは温室メロンの生産上は問題とならない範囲であった。2.温室内へ透過する光の南北方向の分布では、春・秋の太陽の南中高度が中位の時に分布ムラが大きかったが、被覆材に型板ガラスを使用して軒高を高くすることで分布のムラを改善できた。3.フェンロー型温室では、従来のスリークォータ型温室よりも最高・最低温度の差が小さく、午後から夕方の温度低下も少なく、全体に1日の温度変化が緩やかであることが明らかになった。4.夏期の日中の高温期の温室内環境は、フェンロー型温室の方が温度は低く、十分な大きさの温室メロンが植栽されている条件下では100cmの高さまで外気温に近い温度環境になっていた。5.これらを総括すると、フェンロー型温室はスリークォータ型温室と比較しても光環境、温度環境ともに特別に劣っている点は見られないうえに、軒高が高く温室内の空間が拡大することや天窓・側窓の開口面積を確保することで、温室メロンの栽培に適した環境が得られると考えられる。

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