笠野原シラス台地周縁の水質実態

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タイトル別名
  • カサ ノハラ シラス ダイチ シュウエン ノ スイシツ ジッタイ

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抄録

笹野原シラス台地は,総面積は5,900haで,その4,800haに黒ボク土畑が広がり,甘しょ,露地野菜を中心とした畑作農業が営まれ,畜産業も盛んである.我が国有数の畜産地帯となった今,施肥および家畜排泄物由来の窒素発生量は3,500Mgと見積もられている.シラス台地西南部の鹿屋市をはじめ周縁地域には,シラス崖下に湧水が発生し,湧水および井水は周辺住民の主要な水道水源となっており,これら地下水水質への畑作農業および畜産業がもたらず多大な窒素発生の影響が懸念される.そこで,台地周縁の地下水および河川水の窒素水質の実体を調査した.台地周縁の地下水は,硝酸性窒素により汚染されていた.汚染は,台地北西部由来の窒素負荷の影響が大きく,台地西部の地下水では,硝酸性窒素濃度が地下水に係る環境基準値の10mg L-1を超える地点があった.これらの地下水は,肝属川に流入して中流域での硝酸性窒素汚染を進めていた.また,台地中南部の中山谷でも,台地北西部由来の地下水の影響が大きく現れる湧水があり,硝酸性窒素濃度は10Mg L-1を示し,今後,重点的なモニタリングの必要性が示唆された.

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