高品質な酒造原料米生産のための「総の舞」の生育特性の解明

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  • コウヒンシツ ナ シュゾウ ゲンリョウマイ セイサン ノ タメ ノ フサ ノ マイ ノ セイイク トクセイ ノ カイメイ

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抄録

酒造好適米品種「総の舞」において、酒造原料として品質の高い玄米を安定して生産することを目的として、酒造適性に及ぼす水稲の生育要因を検討した。1. 酒造適性に大きく関係するとされている玄米千粒重、心白発現率、砕米率、吸水性(20分)、蒸米吸水率、消化性及び粗タンパク含有率は、年次や圃場により変動した。このうち、玄米千粒重、心白発現率及び粗タンパク含有率が水稲の生育に大きく影響されることが推測された。2. 玄米千粒重の増大に伴って心白発現率が高く、一方で組タンパク含有率が低くなり、水稲の生育と酒造適性との関係を検討する場合、玄米千粒重は重要な要因であると判断された。酒造適性の高い玄米を生産するために、「総の舞」の目標とする玄米千粒重は25.5から26.0gが適当であると認められた。3. 酒造適性の高い玄米を得ることができる25.5から26.0gの玄米千粒重と、目標とする54.0から60.0kg/aの収量を確保するためには、m2当たり籾数は25,000から28,000粒が適正であった。このm2当たり籾数を得ることができる穂数の目標値は、350から400本/m2が適当であると考えられた。4. 「総の舞」の品種特性として一穂籾数の変動幅が小さいために、穂数の増加がm2当たり籾数の増加につながりやすいことが明らかになった。M2当たり籾数が過剰になった場合、玄米千粒重や心白発現率が低下して酒造適性が不良になることから、栽培管理においては穂数の過剰を避けることが重要であることが示された。

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