亜熱帯沖縄における天然林の資源植物学的研究(7) : 主要島嶼の植物の分布について

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  • Resources plant studies on the natural forest in subtropical Okinawa(7)About plant distribution on the main islands of the Ryukyus

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抄録

本研究は、亜熱帯沖縄における天然林の資源植物学的研究の一環として、亜熱帯・沖縄県の主要島嶼の沖縄島、宮古島、石垣島、西表島を対象に既応の著書・文献を用いて分布植物のデータベース化をはかるために森林植物を中心とした全ての在来植物の分布種及び外来種を明らかにするために行ったものである。琉球列島全体の分布植物は、琉球植物目録(FRSAI、1994)で238科、1688属、5473種で最も多く、Flora of Okinawa and Souhern Ryukyu Island(FOSRI、1976)で239科、1061属、2560種、琉球列島維管束植物集覧(FRSAI、1997)、200科、949属、2275種、琉球植物誌(FR、1975)182科、863属、2142種の順であった。全体的に総分布種は文献間に差異があり、その主な要因は外来種の分布の取り扱いによるものと思料される。在来植物の種の構成は沖縄島FR 1451、FRSAI 1445、CLVFR 1404、宮古島FR 640、FRSAI 656、CLVFR 633、石垣島FR 1099、FRSAI 1132、CLVFR 1119、西表島FR 1151、FRSAI 1139、CLVFR 1142で各島嶼とも分布種に大きな差異はなかった。また、島嶼別の在来種は沖縄島>西表島>石垣島>宮古島の順であった。宮古島が最も少ないのは、同島の大部分が隆起サンゴ礁の石灰岩でおおわれ、平坦な島であるため、分布植物において山地性植物の森林植物が他島に比べて少ないものと思料される。島嶼別固有植物はいずれの文献も沖縄島に多くの固有植物が分布しVJOO 16種、FR 15種、CLVFR 33種であった。ついで西表島で多くVJOO 13種、FR 10種、CLVFR 9種、宮古島、石垣島では1-3種であった。

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