道南地方におけるブナの植栽事例

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  • ドウナン チホウ ニ オケル ブナ ノ ショクサイジレイ

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説明

道有林内に設定されたブナ植栽試験地2箇所(上ノ国町、函館市)の事例について成育状況の実態調査を行った。植栽から20年経った上ノ国町の試験地では、1万本区で植栽10年目の平均樹高が237cm、20年目が342cm、10年間の樹高成長量はほぼ1mだった。4万本区では、10年目で181cm、20年目で253cmに成長しており、10年間の樹高成長量は70cmだった。函館市の植栽地では、1998年植栽当時に樹高60-65cm程度だった植栽木は、概ね順調に生育しており、6年後の2004年には、調査全個体の平均で15mほどに成長している。この植栽地における植栽木の最多死亡要因は下刈り時の誤伐で、集中・隣接する傾向が見られた。ネズミによる食害も見られたが、殺鼠剤による防除効果もあり被害は局所的であった。上ノ国町、函館市いずれの植栽地でもブナ植栽木に目立った衰弱個体や衰弱要因は認められず、成長経過も順調であったことから更新補助作業として植栽は有効な手段であることが確認された。今後の課題としては、苗木の産地と成長や気象害、獣害の受けやすさなどの関係についてデータを蓄積する必要がある。

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