大豆認定品種「すずさやか」の特性について

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  • ダイズ ニンテイ ヒンシュ スズサヤカ ノ トクセイ ニ ツイテ

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説明

1)「すずさやか」は1998年に「東北135号」の系統名で配付けされ、1998年~2001年まで大豆奨励品種決定調査生産力検定予備試験に供試した。2000年~2003年まで地域基幹研究の現地実証試験(上小阿仁村で実施)に供試し、2002年~2003年まで大豆奨励品種決定調査生産力検定本試験及び現地試験(3カ所で実施)において地域適応性を検討した。本品種は2003年9月に、「だいず農林125号」として登録され、「すずさやか」と命名された。2004年4月16日付けで、秋田県認定品種に採用された。2)「リュウホウ」及び「タチユタカ」の大豆子実中には、不飽和脂肪酸を酸化して大豆特有の青臭みを生じさせる酵素、リポキシゲナーゼ(L-1,L-2,L-3)が存在するのに対し、「すずさやか」は大豆子実中のリポキシゲナーゼの3つのアイソザイムが全て欠失している。そのため、青臭みのない飲用豆乳や加工食品素材として、従来の大豆にない利用価値が認められる他、独特の風味があるので、特産加工品の原料として付加価値が高い。3)子実収量及び粒の大きさは、「タチユタカ」並であるが、播種時期が遅れるほど小粒化する。中粒大豆の規格を満たすための播種時期は5月下旬であり、遅くとも6月上旬には播種する。4)「すずさやか」は主茎長が長く、倒伏しやすいので、密播栽培や多肥栽培を避ける。5)「すずさやか」は一般大豆のわずかな混入によっても青臭みが生じ、リポキシゲナーゼ全欠失性の特徴が損なわれるので、自然交雑を避けるなど栽培管理には細心の注意をはらう。

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