Leucocytozoon caulleryiに対するN4-acetyl-Sulfamonomethoxineの予防効果ならびに鶏の体内における動態について

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  • Leucocytozoon caulleryi ニ タイスル N 4 acetyl sulfamonomethoxine ノ ヨボウ コウカ ナラビニ ニワトリ ノ タイナイ ニ オケル ドウタイ ニ ツイテ

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抄録

Sulfamonomehoxine-Free(SMMX-F)にはLeucocyozoon caulleryi(L.c.)に対して予防効果のある事が多くの研究者によって報告されている。一方、SMMX-Fと分子式および分子量が全く同じで、化学名と構造式の異なる位置異性体のSulfamehoxydiazine(SMD)はL.c.に対する予防効果が全く見られない。さらに、一般的にサルファ剤は血液中に吸収されたフリー体が効果を示し、代謝されN4の位置でアセチル化されて抗菌力が消失すると言われている。しかしながらアセチル体の抗原虫作用については報告されていない。今回、L.c.感染ヒナにaceyl-sulfamonomehoxine(Ac-SMMX)を飼料添加により投与し、その予防効果についてparasiemia、寒天ゲル内沈降反応による抗原と抗体の有無によって検討した。結果:L.c.静岡-76株とL.c.台湾-78株に対しAc-SMMXはSMMX-Fよりやや効果が劣るが100ppm以上を投与することにより予防効果が見られた。この予防効果機序を確認するためにAc-SMMXの薬物動態を検討した。Ac-SMMX10mg/kgならびに50mg/kgをゾンデにより食用鶏に投与し、経時的に採血し、得られた血漿を用いて液体クロマトグラフィー法で血中薬剤濃度を定量した。両群ともアセチル体よりフリー体の方が血中濃度が高く推移した。両群の血中濃度値から算出した血中濃度曲線下面積(AUC)は10mg/Kg群ではAc-SMMXが7.7ng/ml/min、SMMX-Fが72.2ng/ml/minであった。また、50mg/kg群では、Ac-SMMXが8.1ng/ml/min、SMMX-Fが243.2ng/ml/minであった。この血中濃度の成績は、鶏体内でアセチル体がフリー体へ可逆的に変換され、フリー体がL.c.に対して予防効果を発揮していた事を示唆していた。

収録刊行物

  • 動物の原虫病

    動物の原虫病 21 (1), 10-17, 2006-12

    相模原 : 日本動物原虫病学会

参考文献 (31)*注記

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