青森県周辺海域の透明度

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  • アオモリケン シュウヘン カイイキ ノ トウメイド

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抄録

1929年4月以降に青森県周辺海域で観測された透明度のデータを整理した。透明度の日本海側での季節変動は4月から5月に極小で、8月から9月に極大となった。4月から5月の極小は春のブルーミングの時期にあたるためと思われた。8月から9月の極大は対馬暖流の表層付近の水温が極大となる時期に近いためと考えられた。太平洋側では4月から6月に極小となった。これも春のブルーミングと関係があるものと思われた。一方、極大となる時期は8月から9月と12月から3月にみられた。8月から9月は親潮の沖合側で、夏期の最も水温の上がる時期にあたるためと考えられた。12月から3月は沿岸側で極大となった。これは津軽暖流域で、鉛直混合期にあたるためと考えられた3月の極大は親潮水の張り出しが最も顕著であるためと考えられた。経年変動をみると、日本海側では極小期、極大期ともに透明度が低くなる傾向を示した。太平洋側の津軽暖流水の影響の及ぶ範囲では極小期、極大期ともに透明度が低くなっていると思われた。トレンドを除去した時系列には1-7年ぐらいまでの周期性が認められた。レジームシフトとの対応では1940年代のシフトとの対応が最もよくみられた。これはこの期を境に水温の高温期に入り、透明度も高くなったことを示していると考えられた。ブルーム期のクロロフィルa量と透明度との相関は-0.6程度であった。

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