実験的糖尿病ラットの血清グルコース,インシュリン,各種脂質および過酸化脂質におよぼすビタミンB2投与の影響

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  • Effect of vitamin B2 administration on the levels of glucose, insulin, lipid and lipid peroxide in serum of streptozotocin-induced diabetic rats

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抄録

ストレプトゾトシンによって実験的に糖尿病を発症させたラットにおいて、ビタミンB2欠乏が起きることを確認し、またそのビタミンB2を投与時期ならびに投与量を変えた場合に、体重指数、インシュリン、血糖値、血清グリコヘモグロビン、各種脂質および関連した酵素活性にどのような影響が現れるかを調べることを目的に実験を行った。実験動物は3週齢のSprague Dawley系の雄のラット40匹で、1週間の予備飼育ののち8群に分け、ストレプトゾトシンを腹腔内投与して実験に供した。インシュリン・レベルは、対照群(糖尿病を発症させない正常群)と比較してすべての実験群では有意に低く、またそれらのグループ間では差異は認められなかった。体重指数は糖尿病群が減少していくのに対し、糖尿病発症2週間後からビタミンB2を授与したグループでは、減少が抑えられた。血糖値はすべての実験群で対照群より有意に高かったが、グループ間の有意差は認められなかった。総コレステロール濃度はビタミンB2を授与したすべての実験群において、対照群と同じレベルにまで低下した。HDL-コレステロール濃度は、ビタミンB2投与をしたすべてのグループで、糖尿病群より有意に高かった。トリグリセリド濃度は、糖尿病発症直後からビタミンB2投与グループでは、対照群と同じレベルにまで低下した。また発症2週間後から投与したグループでも減少傾向が認められた。過酸化脂質濃度は、ビタミンB2を投与したすべての実験群において対照群と同じレベルにまで低下した。赤血球および肝細胞中のグルタチオンレダクターゼ活性は、糖尿病群と比較してビタミンB2を授与したグループで有意に高く、そのうち発症直後から投与を行ったグループで活性が上昇した。以上、糖尿病を発症するとビタミンB2欠乏が起こり、それを投与することによってラットの体内成分に改善的影響を及ぼすことが明らかとなった。

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