夷隅川水系および養老川水系におけるカワウPhalacrocorax carbo hanedaeの食性

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  • イスミカワ スイケイ オヨビ ヨウロウカワ スイケイ ニ オケル カワウ Phalacrocorax carbo hanedae ノ ショクセイ

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抄録

1)食害防除対策を講じる上で重要となるカワウの餌生物の特徴を調べるため、2003年4月から2006年10月に夷隅川水系および養老川水系において捕獲したカワウの餌生物を餌重要度指数の組成(%IRI)で評価した。2)夷隅川水系の河川で魚類10科22種および甲殻類1種が出現し、生息魚種の46%が餌生物であった。養老川水系の河川で魚類5科12種および甲殻類2科2種が出現し、生息魚種の46%が餌生物であった。3)餌生物の全長は最小がオイカワの34mm、最大がニゴイの387mmであり、体重は最小がオイカワの0.3g、最大がオオクチバスの610gであった。4)両水系の河川・湖沼とも%IRIが高い種は各季節1-4種であり、カワウは季節毎に特定の種を集中的に捕食していた。5)両水系の河川ではほぼ周年をとおしてオイカワの%IRIが高く、本種はカワウにとって重要度の高い餌生物であった。6)両河川では春にアユの%IRIが高く、アユ種苗が多く捕食されているものと推測された。7)夷隅川では冬にニジマスの%IRIが高く、夷隅川漁協の運営する管理釣り場におけるニジマスを捕食しているものと考えられた。8)両水系の湖沼においてもオイカワの%IRIが高く、カワウの重要な餌生物であった。9)高滝湖ではオオクチバスやブルーギル、平沢ダムではブルーギルが季節によっては高い%IRIを示し、これらの外来種も餌生物としてオイカワに次ぐ重要種であった。

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