森林流域試験と今後のあり方

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  • シンリン リュウイキ シケン ト コンゴ ノ アリカタ

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抄録

我が国における森林面積の約4割が保安林に指定され、その中で水源涵養保安林は73.1%を占めている。森林施業に関わる水文研究の必要性が高まり、森林水文学が果たす役割は大変重要である。ここでは、森林総合研究所が関わってきた流域試験地から6つの水文試験地(北海道上川森林理水試験地:HKW、山形県釜淵森林理水試験地:YKW、群馬県宝川森林理水試験地:GTW、茨城県常陸太田水文試験地:IHW、岡山県竜の口山森林理水試験地:OTWおよび宮崎県去川森林理水試験地:MSW)を選び、森林施業など植生の変化(HKW:択伐、風害の影響、YKW:皆伐、部分伐採、階段工設置、GTW:択伐・帯状伐採、IHW:皆伐、トラクター集材、OTW:択伐、マツ枯れと山火事の影響、MSW:皆伐、部分伐採)による水源涵養機能に関する既往の研究について整理した。森林施業の方法は多種多様であり、また、各試験地において積雪寒冷地域、寡雨地域、多雨地域など気候が異なる。従って、一つの森林流域試験地の結果から各地の水源涵養機能に関する評価を行うことは不可能である。今後の森林流域試験地のあり方として、1)長期水文観測の継続、2)比較水文研究の実施、3)水文プロセス研究の実施、4)広域流域の評価、5)他分野との共同研究、について提言した。

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