中山間地域の小麦栽培における耕起法が生育、収量及び品質に及ぼす影響

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  • チュウサンカン チイキ ノ コムギ サイバイ ニ オケル コウキホウ ガ セイイク シュウリョウ オヨビ ヒンシツ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

中山間地域における高品質麦の安定生産のために、耕起法の違いによる土壌水分の変化、小麦の生育、収量、外観品質について検討した。1.不耕起は慣行耕起区に比べて、降雨後に土壌が乾燥する過程において、pF値の変化が緩やかであった。また、不耕起は、土壌水分の変動幅及び深さ5cmと10cmの土壌水分の差が小さかった。2.不耕起は慣行耕起に比べて、茎立期から出穂期にかけての生育が劣り、茎数が少なく推移し、穂数が少なかった。浅耕はそれらの中間的な生育を示した。収量は、穂数の多い慣行耕起が全般的に浅耕、不耕起に比べて多かった。3.不耕起の外観品質は、慣行耕起、浅耕に比べて安定して優れた。また、不耕起は多肥条件下での品質の低下が慣行耕起、浅耕に比べて小さかった。4.これらのことから、中山間地域の水稲跡での小麦作では、不耕起栽培にすることで品質が慣行耕起栽培に比べて向上するものと考えられた。なお、不耕起栽培であっても生育過多になり外観品質が低下しないような穂肥施用時の生育指標を示した。

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