化学肥料に込められた知恵と使う知恵

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  • カガク ヒリョウ ニ コメラレタ チエ ト ツカウ チエ

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抄録

化学肥料に込められた知恵と使う知恵。化学肥料の始まりは、1840年代、イギリスのロザムステッドの地主ローズが骨粉を硫酸で処理して作成した「過リン酸石灰」とされ、水溶性の「リン酸一石灰」が速効性の肥料として作物の生育に効果を発揮した。化学肥料の生産技術は、それ以来、リン鉱石やカリ鉱石など鉱物資源を利用した技術の開発、1910年代のハーバー・ボッシュによる空気中窒素からアンモニアを合成する技術の開発など進歩し続け、増え続ける人口を食料増産で支えてきた。しかし、近年、化学肥料や有機物の施用による水系の汚染、また、温室効果ガスの発生の増大など環境負荷が懸念され、農業においてもより環境に配慮した施肥管理法が求められている。ここでは、最初に作物の養分吸収パターンと施肥法について述べた後、近年、環境保全型施肥法としてさまざまな利用方法が開発されている「肥効調節型肥料」を中心に、そのメカニズムや利用例を紹介する。

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