カザフスタン共和国北部における小麦農家の総合生産性分析

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  • カザフスタン キョウワコク ホクブ ニ オケル コムギ ノウカ ノ ソウゴウ セイサンセイ ブンセキ

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抄録

本稿は2006年10月に実施したフィールド調査をもとに、旧社会主義国家カザフスタンの北部穀倉地帯における小麦農家の経営規模の変遷と総合生産性の分析を通じて、同国農業の規模の経済の存在及び各生産要素の生産性向上への寄与率を実証分析するものである。分析結果から、同国北部の小麦生産には規模の経済が強く働いていること、また、補完関係にある農業機械及び労働の効率性が生産性格差の主要な要因であることが見出された。独立当初の社会的地位、それに伴う土地や農業機械の保有量が農家の経営規模拡大と密接に関係しており、規模拡大が効率性の面で極めて重要であることから、旧来の特権層にある一部農家を含む大規模層が今後も規模拡大を行い、農業企業と共に同国小麦生産の主要な担い手となっていくであろう。しかしながら、独立自営農家がさらに規模を拡大するためには農業機械の更新が不可欠であり、政府の補助も含めた農業機械市場の充実が必要である。

収録刊行物

  • 農村研究

    農村研究 (106), 84-95, 2008-03

    東京 : 食料・農業・農村経済学会

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