秋まきコムギ新品種「きたほなみ」の育成

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  • アキマキ コムギ シンヒンシュ キタホナミ ノ イクセイ

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抄録

秋まきコムギ「きたほなみ」は、1995年に北海道立北見農業試験場作物研究部小麦科(農林水産省小麦育種指定試験地)において耐病性、穂発芽耐性に優れたやや早生、良質、多収品種の育成を目的に「北見72号」(後の「きたもえ」)を母、「北系1660」を父として人工交配を行った雑種後代から育成された。2006年12月に「小麦農林168号」として農林登録され、「きたほなみ」と命名された。本品種は、成熟期は「ホクシン」より2日遅いやや早生種である。稈長は「ホクシン」と同程度である。子実重は「ホクシン」対比114%と多収で、各種雪腐病抵抗性、うどんこ病抵抗性は「ホクシン」と同程度であるが、赤さび病抵抗性、穂発芽耐性は「ホクシン」より優れ、赤かび病抵抗性、コムギ縞萎縮病抵抗性はやや優れる。灰分含量が低く、製粉性が優れ、蛋白含量は「ホクシン」よりやや低く、製めん適性(ゆでうどんの官能検査)はめん色が優れ、粘弾性は同程度であり、めん総点は「ホクシン」より優れる。本品種の普及により北海道産コムギの収量性、品質及び安定性の向上、生産コストの低減が図られると期待される。

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