紫外線強化型光パルスの食品殺菌への応用

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紫外線強化パルス光を食品の殺菌に適用可能か試験を行った。光パルス照射により,真菌類(カビおよび酵母)と細菌類(グラム陰性および陽性細菌)の他,紫外線や薬剤に抵抗性のある黒カビ胞子および細菌芽胞まで広範な微生物の殺菌が可能であった。肥育牛半腱様筋を試料として,光パルス処理の品質への影響を調べたが,pH,保水性,色調などへの影響はほとんど無く,畜肉臭が抑制された。光パルス処理した試料を調理し,官能評価した結果でも処理により畜肉臭さが抑えられると評価された。光パルス照射による殺菌原理は,紫外線および瞬間的な加熱による効果と考えられた。光パルス殺菌は包装食品において,従来の煮沸殺菌や紫外線殺菌に比べて殺菌効果が高かった。以上より,光パルス殺菌は,紫外線照射や加熱効果および菌体表層構造の破壊により殺菌効果が生じると考えられるが,食品の品質には影響を与えない殺菌方法であった。また,包装済み食品においても応用できる可能性が示された。

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