液状コンポストの成分特性及びその利用法

書誌事項

タイトル別名
  • エキジョウ コンポスト ノ セイブン トクセイ オヨビ ソノ リヨウホウ

この論文をさがす

抄録

奥中山地域では家畜排せつ物の有効な活用を目的として、液状コンポスト化施設の導入が検討されている。液状コンポストは、家畜ふん尿の固液分離後の液分を曝気処理したものである。その利用に当たって必要となる、成分組成及び成分含量の季節変動などの解明を行った。液状コンポスト(貯留槽中)の成分含有率の平均値はT-N(%)-T-P2O5(%)-T-K2O(%)=0.27-0.18-0.34、乾物率(%、100-水分%)=3.4であった。NH4-N(%)=0.175で全窒素のうち60%程度がアンモニア態窒素として存在する。成分含量は、主に降雨による希釈が原因と思われる季節変動及び固形部分の沈降等による濃度勾配が見られる。肥料成分は、T-N、T-P2O5、T-K2OについてEC、乾物率、簡易型反射式光度計数値、アンモニア態窒素試験紙指示値から簡易推定をすることができる。液状コンポスト中の窒素の無機化速度は速く、肥効はかなり化学肥料に近いため、液状コンポストを牧草及びデントコーンに利用する場合は、全窒素で慣行窒素施用量の2割増となるように施用することで、慣行並の収量を確保することが可能であり、化学肥料の節減が可能である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ