カーネーション切り花の花持ち性に対する機能水の影響

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  • カーネーション キリバナ ノ ハナモチセイ ニ タイスル キノウスイ ノ エイキョウ

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抄録

エチレンは植物の成熟や老化を促進する生理作用を持った植物ホルモンである。切り花として人気のあるカーネーションは、このエチレンにより老化が促進され花が萎れる、エチレン感受性花卉である。したがって、カーネーションの花持ち性向上には、主としてエチレンの作用を阻害するSTS(チオ硫酸銀アニオン複合体)を中心とした品質保持剤が使用されてきた。しかし、近年、品質保持剤による環境汚染が問題になり、環境にやさしく、かつ安価な代替技術が必要とされるに至った。近年、微弱エネルギーを加え何らかの性質を付加したと称する水、いわゆる機能水、活性水が、いろいろな分野で使われている。こうした機能水の一種である遠赤外線放射セラミックス処理水は、未処理水に比べ、多糖類デキストランの水和を促進することが知られている。このことは、遠赤外線放射セラミックス処理水によりカーネーションの細胞壁を構成する細胞壁多糖類の水和量が上昇し、保水性が高まることで、水ストレスが起きにくくなる可能性を示唆する。したがって、保水性の上昇による花持ち性の向上が期待できる。また、機能水の一種である磁気処理水は界面活性作用を持つことから、細胞膜の水和量や水透過性などに何らかの影響を与え、花持ち性にも影響が出ることが予想される。そこで本研究では、こうした機能水を用いて、カーネーションの花持ちに対する影響を調べ、実用化の可能性を検討した。

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