奇数倍数体イチゴの染色体倍加処理と得られた系統の主特性

書誌事項

タイトル別名
  • キスウ バイスウタイ イチゴ ノ センショクタイ バイカ ショリ ト エラレタ ケイトウ ノ シュトクセイ

この論文をさがす

抄録

芳香性に優れるが、稔性が低い奇数倍数体を染色体倍加し、得られた倍加系統の諸特性(生育や稔性、香気成分等)について調査した。1.奇数倍数体‘97-20-1’(5x)を200ppmコルヒチンで30日間の処理を行うことにより、高率に倍加個体が得られた。2.コルヒチン処理後の倍数性の確認では完全な倍加個体だと考えられた個体でも、ランナー更新により増殖した個体の中にはキメラ個体が存在した。このことから、ランナー更新後にも再度倍数性や生育の確認をする必要がある。3.低稔性の奇数倍数体を倍加することにより、花粉や果実稔性が向上した。しかし、コルヒチンの処理条件により稔性率が異なったことから、コルヒチンで染色体倍加する際には適した濃度や処理日数を考える必要がある。本試験結果からは、倍加効率や生育、果実稔性等を考慮すると100ppmで10日間処理が最も良いと考えられる。4.低稔性の芳香性雑種を倍加することにより、稔性が向上するだけでなく香気成分も受け継がれており、芳香性品種育成の可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ