シベリア産オウシュウアカマツの実大曲げ強度性能(1) : 構造用製材JASによる強度等級区分

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シベリア産オウシュウアカマツの構造用材としての用途拡大を目的に実大曲げ試験を行い、その曲げ強度性能と構造用製材JASに基づく強度等級区分について検討した。結果は以下の通りである。1)シベリア産オウシュウアカマツ(以下オウシュウアカマツ)の曲げ強度性能は、平均でヤング率MOE:8.92GPa(標準偏差sd:1.74)、曲げ強度MOR:39.1MPa(SD:10.54)であり、国産のアカマツの値(MOE:10.26GPa、MOR:44.9MPa)に比べて低い値となった。2)オウシュウアカマツの曲げ強度の5%下限値(信頼水準75%)は、21.0MPaであり、建築基準法施行令に示されるアカマツの基準曲げ強度Fb:28.2MPaには達しておらず、無等級材としてアカマツの基準強度値を用いるのは、適当とは思われない。この結果は、心去り材の強度性能が心持ち材に比べて低いことが影響したものであり、心持ち材のみでの下限値は23.7MPaが得られた。3)構造用製材の日本農林規格(JAS)に基づき目視等級区分を行った結果、5%下限強度がアカマツの基準強度とほぼ同等であり、JAS目視等級区分材に対するアカマツの基準強度値を適用することが可能と思われる。4)JAS機械等級区分に関しては、オウシュウアカマツではヤング率と曲げ強度の相関が非常に高い(相関係数0.82)こともあり、E等級ごとに計算した下限値は、基準強度値に比べて全て高い値となっており、現行の基準強度値を適用することが可能である。5)オウシュウアカマツは、節が大きいために強度低下が大きく、無等級材として扱うと強度は低く評価されることから、目視、機械を問わず強度等級区分を行って利用するのが適している。また、今後、構造用製材としての利用展開を進めていく場合には、無等級材、強度等級区分材ともアカマツとは異なる基準強度を設定するのが適当と考えられる。

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