分娩前後の飼養管理改善が高泌乳牛の供用年数延長に及ぼす効果

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  • ブンベン ゼンゴ ノ シヨウ カンリ カイゼン ガ コウヒニュウギュウ ノ キョウヨウ ネンスウ エンチョウ ニ オヨボス コウカ

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乳牛の供用年数を延長させる方法を検討するため、供試牛15頭を用いて試験を行った。その結果、分娩後の乾物摂取量が全体的に低かった。これは乳房炎や蹄病等の疾病牛において一時的に採食量が減少したためと思われる。また、BCSは、ほぼ理想的な数値であったが、分娩前に過肥の傾向がみられた牛は代謝病に罹りやすいため注意が必要と思われた。血液性状では、NEFAがやや高く、BUNとCaがやや低い数値を示した。これは乳房炎発症牛で採食量が減少し、軽度の体脂肪動員が生じたためと考えられた。さらに、乳房炎発症牛の血中Se、ビタミンA、E、およびβ-カロテン濃度を健康牛と比較すると、分娩前から分娩当日の減少割合は健康牛の方が大きく、初乳生産のため健康牛ではミネラルやビタミンを効率よく動員していると思われた。今回の試験結果から、生涯生産性を延長させる一手段として、分娩前に乳房炎や代謝病の発生を予防する処置を行うことが必要であると示唆された。

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