石狩浜砂丘植物群落における開花フェノロジー,訪花昆虫,結実率の関係

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  • イシカリハマ サキュウ ショクブツ グンラク ニ オケル カイカ フェノロジー ホウカ コンチュウ ケツジツリツ ノ カンケイ

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抄録

北海道石狩浜砂丘植物群落の虫媒花植物について、種レベルおよび群落レベルの繁殖特性を明らかにするために、開花フェノロジー、訪花昆虫相および結実特性を調査した。砂丘植物群落の開花期は4月下旬から10月下旬までの約6ヶ月間であり、6月に開花種数が急激に増加し、7月には最も多くの植物が開花した。種レベルの開花期間は、開花のピークが5〜6月の植物は短く、7月以降に開花のピークを持つ植物は長い傾向があった。訪花昆虫は34種が観察され、甲虫目が種数、個体数ともに最も多く、次いで膜翅目のコハナバチの仲間が多かった。訪花昆虫の出現種数は6月に最多となった。結実率は、種によって大きく異なり、多くの植物が、花粉不足により結実が制限されている可能性が高い。結実率が比較的高い植物では、多くの訪花昆虫が観察されたほか、自家受粉により花粉不足を補っている可能性がある。また、種子の食害が多くの植物で観察され、種子生産に大きく影響していると考えられる。石狩浜砂丘植物群落の種子繁殖において、それぞれの植物の開花特性と訪花昆虫や食害昆虫との間には密接な関係がみられた。

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