ヘアリーベッチおよび赤クローバによる土壌窒素の補給効果

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タイトル別名
  • ヘアリーベッチ オヨビ アカクローバ ニ ヨル ドジョウ チッソ ノ ホキュウ コウカ

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説明

上場台地の土壌改良を目的に、緑肥作物であるヘアリーベッチ(Vicia villosa Roth.)および赤クローバ(Trifolium incarnatum L.)を栽培し、その地上部残渣のすき込みによる土壌への窒素補給効果を調査した。両緑肥作物を2006年11月4日に本研究センター実験圃場(唐津市神田)において播種し、2007年5月26日に地上部をサンプリング調査した。サンプリング調査後の5月29日に地上部残渣を土壌にすき込み、6月20日にテスト作物としてトウモロコシを植えた。その結果、両緑肥作物とも旺盛に成長し、最大地上部乾物重は1平方メートル当たり赤クローバで1068g、ヘアリーベッチで703gであった。両作物の植物体窒素含有率を測定したことにより、地上部残渣を土壌にすき込んだ場合、土壌への窒素補給量は1平方メートル当たり赤クローバで18.5g、ヘアリーベッチで12.5gと推定された。さらに、すき込み後にトウモロコシを植え、トウモロコシによって吸収された窒素は1平方メートル当たりコントロール区(緑肥すき込みなし)の約3.1gに対し赤クローバ区では約9g、ヘアリーベッチ区では約9.3gであり、緑肥すき込みによって補給された窒素の30〜50%が直後のトウモロコシによって再利用されていることが明らかになった。

収録刊行物

  • Coastal bioenvironment

    Coastal bioenvironment 12 41-45, 2008-12

    佐賀大学海浜台地生物環境研究センター

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