各種防腐薬剤注入スギ材の野外効力試験結果報告

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  • カクシュ ボウフ ヤクザイ チュウニュウ スギザイ ノ ヤガイ コウリョク シケン ケッカ ホウコク

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抄録

JIS規格に規定された低毒性防腐薬剤と、CCA及びクレオソート油並びに木酢液を、県産スギ材へ適用し、外構用木材への利用技術を解明するため、スギ材の条件別注入特性を調査し、さらに1995年3月から野外試験地に設置して被害状況を調査した。注入特性と設置後4年までの野外試験結果については、村口ら(2000)が報告したが、その後の野外試験について設置後12年2か月を最後に被害度調査を行い、その後、試験体を回収して重量減少率測定及び強度試験を行った。その結果、低毒性防腐薬剤は、ある程度高い防腐耐久性を示したものの、CCAとの比較においては劣勢であり、水溶性薬剤では地中での溶脱も示唆された。強度試験の結果では、動的ヤング率よりも静的ヤング率の方がより忠実に劣化度合いを反映することが示唆され、さらに、部位別圧縮強度試験の結果では、部位別被害度の傾向に沿わず、ほとんどにおいて地中部で最も弱くなっており、このことは、目視や刺針だけでは判断できない劣化の存在を意味した。また、最終的に得られた指標である重量減少率からみた耐用年数では、重量減少率が14.0%程度になったころから、耐用年数として想定した平均被害度2.5に抵触すると推定された。

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