反芻動物の着床期における胚仔・子宮インターアクションに関わる分子生物学的機構

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  • Molecular mechanisms associated with conceptus-endometrium interactions during the peri-implantation period in ruminants

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哺乳類の約半数の受精卵は着床期から胎盤形成期までに死滅してしまう。鳥類や爬虫類に比べ、哺乳類の受精卵には卵黄がほとんど存在しない。このことは妊娠初期に、胚仔の胚体外膜は子宮組織とともに母親の恩恵を受ける架橋(胎盤)を形成しなければ、妊娠の継続はありえない。着床は、胚仔が母体の子宮上皮に接着・浸潤し、胎盤の原基が形成され始めるまでの過程をさすが、この間、卵巣上の黄体は退行せずに、妊娠必須ホルモン・プロジェステロンを分泌し続けなければならない。反芻動物では、黄体の退行抑制に胚仔が分泌するインターフェロン・タウ(IFNT)が必須ではあるが、その発現は着床期・トロホブラスト細胞特異的で、その制御機構は未だに解明されていない。本稿では、着床期におけるIFNTの発見、意義・機能だけではなく、子宮側やトロホブラスト細胞質や核内因子、さらにエピジェネテックによるIFNT遺伝子の発現制御機構と、子宮側の反応を中心に最新知見を紹介する。

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参考文献 (125)*注記

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