馬鈴薯由来残渣の給与が肉豚の発育と肉質に及ぼす影響

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  • バレイショ ユライ ザンサ ノ キュウヨ ガ ニク ブタ ノ ハツイク ト ニクシツ ニ オヨボス エイキョウ

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近年、パン屑、馬鈴薯等のでんぷん質飼料を給与することにより、筋肉内脂肪含量の多い豚肉が生産され、食味性に優れた豚肉ができることが報告されている。今回、馬鈴薯に由来する残渣を肥育豚に給与した場合の発育、と体成績及び肉質に及ぼす影響について検討した。試験は、系統三元肉豚48頭を用い、(1)対照区(対照飼料を給与)、(2)15%区(馬鈴薯由来残渣を15%と配合した飼料を給与)、(3)30%区(馬鈴薯由来残渣を30%と配合した飼料を給与)、(4)30%+リジン区(馬鈴薯由来残渣を30%とリジンを添加した配合飼料を給与)の4試験区を設け、各区3反復とし、体重50〜110kg時までの間試験を行った。1.発育成績は、試験区間で差は見られなかった。2.枝肉成績は、背脂肪厚が30%区が厚くなり、15%区では薄くなる傾向が見られた。3.肉質成績は、筋肉内脂肪含量が30%区で他の区より有意に多かった(P<0.05)。背脂肪外層の融点は、30%区及び30%+リジン区で対照区より、有意に低かった(P<0.05)。また、背脂肪内層の融点も30%+リジン区で対照区より、有意に低かった(P<0.05)。4.焼肉による食味官能検査は、30%区の豚肉は、対照区より有意に柔らかさ(P<0.05)、多汁性、うま味及び総合評価(以上、P<0.01)でおいしいと評価された。以上のことから、馬鈴薯由来残渣を配合することにより、筋肉内脂肪含量が多く、食味に優れた高品質豚肉の生産が可能であることが示唆された。

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