米麦二毛作向けの良食味・病害虫複合抵抗性水稲新品種「彩のほほえみ」の育成

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  • ベイバク 2モウサク ムケ ノ リョウ ショクミ ビョウガイチュウ フクゴウ テイコウセイ スイトウ シン ヒンシュ サイ ノ ホホエミ ノ イクセイ

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説明

「彩のほほえみ」は、2007年に埼玉県農林総合研究センター水田農業研究所において育成された水稲新品種で、病害虫複合抵抗性を有する良食味品種である。来歴及び特性は以下のとおりである。中生の晩・イネ縞葉枯病抵抗性・穂いもち圃場抵抗性・ツマグロヨコバイ抵抗性・良食味品種を育種目標として、埼玉県農林総合研究センターにおいて、2001年に病害虫複合抵抗性を持つ「愛知108号」を母親、中生・縞葉枯病抵抗性・良食味の「関東209号」(後の「さとじまん」)を父親として交配を行い、その後代から育成された品種である。「朝の光」に比べ、出穂期、成熟期ともほぼ同じで、温暖地東部では中生に属する。稈長、穂長は2cm程度長く、穂数は少ない「偏穂重型」の草型である。収量性は早植栽培では同等だが、普通栽培ではやや低い。いもち病真性抵抗性遺伝子型はPiaと推定され、葉いもち圃場抵抗性は「中」、穂いもち圃場抵抗性は抵抗性遺伝子Pb1を持つと推定され「やや強」である。イネ縞葉枯病は抵抗性遺伝子Stvb-iを持つと推定され、抵抗性である。ツマグロヨコバイ抵抗性遺伝子は系譜からGrh3を持つと推定され、抵抗性である。白葉枯病抵抗性は「中」である。穂発芽性は「極難」である。イネもみ枯細菌病の発生がやや多い。「朝の光」に比べ、玄米千粒重は1g程度重く、玄米の外観品質は同等であるが、登熟期が高温になる早植栽培では、背白粒、基部未熟粒が多く発生する。玄米粗蛋白質含量は「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」よりやや低く、白米アミロース含量は「キヌヒカリ」並である。飯米は粘りが強く、軟らかく、「コシヒカリ」や「キヌヒカリ」並の良食味である。

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