ウメ実生幼苗に対する混合接種による黒星病、かいよう病抵抗性検定法

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  • ウメ ミショウ ヨウビョウ ニ タイスル コンゴウ セッシュ ニ ヨル クロホシビョウ カイヨウビョウ テイコウセイ ケンテイホウ

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説明

ウメ黒星病、かいよう病の病害抵抗性育種に用いる接種検定の効率化を図るために、交雑実生の育成初期から利用可能な部位として黒星病では新梢茎部、かいよう病では葉を用い、両病害の接種源を混合して交雑実生幼苗に接種する方法について検討した。1.黒星病の新梢への接種条件として、接種後の湿室保持時間を48時間とした場合にすべての接種部位で発病が認められ、接種源濃度は10(5)個/mlで発病が多く、この条件が適すると考えられた。2.混合接種に用いる接種源濃度について、5年生‘南高’ポット植栽樹を用いて検討した結果、黒星病、かいよう病ともに混合、単独接種による発病に差は認められず、前者の接種源濃度は10(5)個/ml、後者では10(8)cfu/mlが適した。3.発芽14日後の‘南高’自然交雑実生幼苗に黒星病の接種源濃度10(5)個/ml、かいよう病の接種源濃度10(8)cfu/mlの条件で混合接種した結果、両病害とも単独接種とほぼ同等の発病を示した。4.混合接種による発芽14、30、45日後の‘南高’自然交雑実生の黒星病、かいよう病の発病には差がなかった。5.単独接種において黒星病、かいよう病の発病程度に差のある4品種は、混合接種によっても類似の発病程度を示した。6.黒星病、かいよう病の発病の少ない品種間の交雑実生の混合接種による発病程度は、‘南高’自然交雑実生に比べて低い傾向にあった。7.以上のことから、ウメ幼苗への黒星病、かいよう病混合接種は効率的かつ早期に実施できる交雑実生の第1次選抜法として利用できると思われ、接種時期は発芽14〜45日後が適すると考えられた。

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